ハーフパスとは、進行方向に対して必要に応じた内方姿勢(姿勢と肋の屈曲)とそれに応じた起揚を伴って、定められた線上を斜めに行進する収縮運動課目です。
初めに、馬の四肢が三蹄跡上に位置するように馬に内方姿勢をとります。すなわち、内方前肢一外方前肢(後方に内方後肢)一外方後肢という体勢をとります。
そして、馬に内方姿勢を取って前躯を後躯よりわずかに先行させ、馬の外方前後肢が内方前後肢の前方側方を交叉するように斜めに行進します。このとき馬は内方姿勢をとって長蹄跡に対して平行に斜線上を行進します。
このとき大切なことは、馬は騎手の内方脚を中心に肋を屈曲します。
このときの注目すべきポイントは
- 姿勢と屈曲(ベンド)
- 外方前後肢の内方前後肢の前方側方への踏歩する交叉度
- 正しい歩調と流暢さ
- 長蹄跡に対して平行
の事柄です。
このハーフパスの目的は下記の事柄にあります。
- 項・ガク・肋の柔軟性としなやかさ
- 推進力と負重力の向上
- 収縮体勢の確立
すなわち、このような側方運動(肩を内へ・腰を内へ・腰を外へ・ハーフパス)は馬体の柔軟と屈橈を促進する収縮運動です。
ハーフパスを行うための前提条件は、 Lクラス運動課目を上手に実施できることであり、すでに「肩を内へ」「腰 を内へ」「腰を外へ」などの収縮運動課目を理解していることです。
この運動を通して、馬体の真直性と透過性を向上させ、馬の正しい内方姿勢と肋の屈曲の維持と馬体のバランスが促進されることです。
具体的な扶助操作
左手前からの隅角を利用した半巻き斜線上の場合
- M の手前より馬に半減却扶助を与えながら馬に内方姿勢をとる。
- そして隅角前3m の地点より半円(2/4 円弧一直径 6m)を行進する。
- 半円を行進した後、一旦一馬身直進する。
- その後、斜線上の角度に応じた内方姿勢を確認しながらわずかに前躯を後躯より先行させる。
すなわち、馬の四肢を三蹄跡上に合わせる。
注:練習時においては半円行進した後「肩を内へ」の体勢で数歩直行進し、正しく馬の内方姿勢を確認した後「ハーフパス」へ移行することはとても有効である。
5.正しい内方姿勢および体勢を感じながら外方脚にて前方側方(左)へ推進する。
6.そしてさらに蹄跡に対して平行に行進することを心がけながら、特に最後の2~3歩では静かにかつ明確に外方脚をより使いながら、正しく蹄跡上に馬体全体(特に後躯)を入れる。
注:ー般的にハーフパスの後半に内方姿勢(特に屈曲)が消失しやすいので注意。
7.このようにして正しく蹄跡に入ったら、再び馬を真直ぐに保ち行進する。
これが基本的な扶助操作および練習方法ですが、これをよく人馬ともに理解したら
次の練習に入ります。
様々なハーフパスの課目
- 半巻き斜線上
- 往復手前変換(蹄跡と中央線の幅)
- 山形乗り
- 斜手前変換斜線上
- 往復手前変換(20m×60m)
側方への運動の後は短距離(5~6歩)歩度を伸長することは、弾発と馬体の真直性を回復し前進気勢を得るのが目的です。
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